人を嫌いになる理由の心理学|なぜか嫌いな人が多い人の心理

Dislikeの文字の上に置かれた虫眼鏡

嫌いな人が多すぎると、生きづらいですよね。それだけ職場や学校でストレスを感じないといけません。また、なんとなく苦手な人というのもあります。別に何かされたわけでもないのに好きになれないのです。

そういった相手に出会うと、「悪い人じゃないのに、私の性格に問題があるのかな?」と悩んでしまいます。今回は、人を嫌いになる理由の心理学です。なぜか嫌いな人が多い人の心理も解説しています。

周りがなんかムカつくやつばかりという男性や、恋人や友達などの仲がいい人でも、何かあるとすぐに嫌う女性はお読みください。なぜ人の好き嫌いがあるのかは、相手の中に見る自分と自分の過去にあります。

人を嫌いになる瞬間

理不尽な理由で怒られたり何度も迷惑をかけられたり、当然その人のことが嫌になります。わざと嫌なことをされたなら、もう会いたくないとも思うでしょう。

その人物と関わると、また同じような目にあうかもしれないと考えるからです。もう一度嫌なことをされるという不安感によって突然、嫌いという感覚が生じるのです。

人から嫌な目にあわされた出来事が深く心に刻み込まれ、そしてその苦痛を再体験する。人を嫌う心理には、こういった一種のトラウマ、人間の防衛本能が関係しています。

相手を嫌うことで自分の心を守る

相手に何かされて嫌いな人ができる場合には、恐怖感だけでなく心の傷も関係しています。ささいなことで傷つくところがあるのも、すぐ人を嫌いになる人の特徴といえます。

友達(ママ友)が自分の陰口を言っているのを聞いてしまった途端、関係がギクシャクするといったことってありますよね。自分のことを嫌っている相手に対して嫌悪感を持つ心の動きを、嫌悪の返報性といいます。

誰から嫌われていると感じると、今までなんとも思っていなかった相手だったのにその人のことが苦手になる現象、これも自尊心が傷ついた結果の反応なのです。

そして人を嫌いになりたくない気持ちが人一倍ある場合は、もう悲しい思いをしたくないからであり、他人にも嫌な思いをさせたくない(人を愛せないことへの罪悪感)からです。

苦手な人ができる理由

威圧的な父親が大嫌いだった人は、職場の男性上司とは相性が悪い傾向にあります。いつも怒っている母親があまり好きではなかった人は、気の強い女性に対し仕事がやりにくいと感じます。

兄や姉によくいじめられた人は、年上と付き合うのが不得意です。子供の頃に年下にからかわれた経験のある人は、大人になっても自分より若い人と接するときに緊張してしまうことがあります。

特に昔意地悪をされた相手に顔や性格・雰囲気が似ている人物に対して、拒否反応を示す人はいっぱいいるでしょう。トラウマの影響によって、似たようなタイプの人に出会うと無意識に警戒してしまうためです。

このように以前、嫌なことをされた人物に似ている人に対しては、私たちはいい感じに思えないです。男嫌いや女性とそりが合わない人の心理も、過去に悪感情を持った相手と同じ性質を苦手に感じているのです。

苦手意識とは思い込み

人間は、よく第一印象だけであの人はなんだか怪しい、きっと怖い人だと予想することがあります。他人が無愛想だと、「私に冷たい!きっと私を嫌っているんだ!」と怒りだす人もいます。

だけどそれは、全部勘違いの場合もあります。相手に悪気はないのに、勝手によくない想像をしてあいつは性格が悪いと思い込んでいるのです。この人はこういう人間に違いないという決めつけが、苦手意識を作ります。

いじめや会社での足の引っ張り合いなど、大勢の人々から傷つけられたり他人が信じられなくなる光景を数多く目にしたことによって、人間嫌いになってしまった人もいます。

友達と急に仲よくなくなったわけ

人間は、自分が自由に生きる権利を奪う相手に強い抵抗を感じます。例えば、あれやこれやと命令する人(過干渉の親)、高圧的な態度の人です(偉そうな上司・教師など)。

友達などの仲のいい人、旦那・嫁や彼氏・彼女といった好きな人でも、相手がわがままになったり自分を束縛するようになったら、一緒にいても楽しくなくなるでしょう。

反対にああしろ、こうしろと相手側の自由を奪おうとするのも、仲がよかった人と不仲になるときです。なぜなら、好きな相手が自分の思いどおりにならないことに腹が立つからです。

好きな人のことを嫌いになる心理

相手が自分のしてほしくない行為をしたときも、それまで好きだった人のことが一気に不快になる瞬間ですよね。つまり、家族や親友のことを軽蔑したり、恋人に裏切られたときです。

これは、芸能人(特にアイドル)の熱心なファンがアンチに変わる心理でもあります。自分の中のイメージ=偶像とはかけ離れた振る舞いをする相手のことが許せなくて、好きじゃなくなるのです。

相手に自分の理想を重ねすぎると、しだいにその人物を憎むようになります。人に対する要求が多くなってきたら危険なサインです。人間関係にある程度の不自由さは付き物ですが、コントロールは不和の要因です。

苦手な人が多い原因

私たちは自分の嫌いなところと似た要素を持った相手のことを、好きになれない人だと感じます。自分の見たくない一面を、その人を通して見せられるからです。

例えば弱い自分じゃダメだと思っている男性は、気弱な性格の人を見ると無性にイラッとします。しっかりしていないと人から評価されないと感じている女性は、気がつかない同僚のことを疎ましく思います。

自分の持つ受け入れられない部分のことを、心理学の用語でシャドウといいます。苦手な人が多い人は、シャドウをたくさん持つ人なのです。自分を嫌いになるほど、嫌いな人がどんどん増えるのが理屈です。

受け付けない人とは意識できない自分

人の容姿を見下す者は、自分の見た目を過度に気にしています。世間体を第一に考えたり、経歴のいい人でないと付き合う相手としてよく思わないのなら、それは自信のなさの表れです。

人に嫌われることを過剰に恐れているのにそれを自覚できないでいると、その恐怖心から周囲に嫌われている人のことを怖いと感じ、相手に拒絶感を抱きます。

また、「わからない」という状態に陥ると、人間はとても不安定になります。そのため自分とあまりにもタイプの違う人がいると、その人の考え方や行動の意味がどうしても理解できないので、すごく怖くなるのです。

他人に「気持ち悪い」「生理的に無理」といった言葉をやたらと使う人は、理解できないことが不安なわけです。そんな受け付けないという感情も、自分の見ないようにしている部分=シャドウの可能性があります。

不愉快な人ばかりなのはどうして?

兄弟・姉妹間では、自分よりも両親の愛情が向けられていると感じ、相手を敵意を抱くことがあります。自分より恵まれている他人を気に入らないと感じるケースもあります。

嫉妬やひがみ、人と自分を比べる性格も、他人が不愉快になる一因です。劣等感が強い人ほど、周囲が敵だらけのように感じられるので、ほとんどの人が嫌いになっていきます。

しかし真の問題は、そんな自分の負の感情を認められないことにあります。ちょっとしたことで攻撃的になって相手の悪い点やおかしいところをあげつらうのは、自分は悪くないと思いたいがためです。

人を好きじゃないのを周りのせいにしている

自分が人の嫌がることをして嫌われたのに、逆ギレして相手を悪く言うような人っていますよね。同じように自分が人に好感を抱けないのは、周りが嫌なやつばかりだからだと思ってしまうことがあります。

そんなふうに正当化する必要があるのは、潜在意識では自分が悪いと思っているためです。でもそれを認められないから、あいつの存在がムカつくと八つ当たりのように他人を嫌ってしまうのです。

知り合う人、みんな嫌いになる。世の中嫌な人しかいない。こんないちいち相手を毛嫌いする方には、妬みから他者をよく思えないところがあったり、なんでも人のせいにする癖があったりはしないでしょうか?

人を嫌いになりやすい人の共通点

ある人が悪く言っていた人物のことを、自分も急に気に食わないと思うようになった経験はありませんか?友人が悪口を言っていた人なら、きっと嫌なやつに違いないと思い込むことはないでしょうか?

他人の評価や世間体を気にしすぎているせいで人に影響されやすく、自分の価値観を大事にできない人もいます。声の大きい人や大好きな人の言うことは、絶対に正しいと思ってしまうのです。

メディアでバッシングされている有名人について、よく知りもしないのにこの人が悪いと決めてかかることもあります。これは自分の中に言われるほうが悪いんだという意識が根づいているせいです。

さらには、趣味などを誰かに否定されると、それがきっかけで自分の好みに自信が持てなくなり、好きなものを嫌いになってしまう人も少なくないです。自分がないため、他者の意見に振り回されます。

アイデンティティーの確立で人と疎遠になることも

人間は、いろいろなものを内側に取り込みながら成長していきます。子供の世界から大人の世界に目を向けられるようになると、視野が広くなります。

そのため年齢や時期によって、好みや興味のあるものが変わります。そして自分を持てるようになると、それまでは相手によく思われようと合せていたのが、自分の価値観を大事にするようになります。

そのせいで、価値観の合わない友人のことがだんだん嫌いになったりします。ネガティブな事情からではなく、精神的な成長によって好きだったものに興味を失うこともあります。

実はそれほど嫌っていないパターンも

自分がない人の中には、多くの人が嫌っている人物に関して私もそうしていいんだと感じ、不快感をあらわにする人がいます。いじめっこに便乗して、一緒になっていじめられている人を虐げる人たちです。

この場合は本当はその人のことが嫌いなわけではなく、誰かに日頃のうっぷんをぶつける目的のために、相手をいけ好かないと思い込んでいるのです。苦手な相手を気にしないための対策も、関連性の深い記事です。

また、人間嫌いを直すワークでは、人の好き嫌いが激しい性格の改善法を紹介しています。恋愛に急に冷める心理では、好きな人への興味を失う原因と対処法を解説しています。

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