人をじっと見る癖の直し方|人の顔や行動を見てしまう心理

双眼鏡を覗く男性のイラスト

周りを見る癖があり、街ですれ違う人とよく目が合う。人が視界に入ると集中できないため、仕事中に同僚の行動を脇見する。授業中に、隣の席のクラスメイトの様子を横目でチラチラ見る。

会話中やあいさつのときに、相手の顔色をうかがう。本日はそんな、人をじっと見る癖の直し方についてのお話です。人の顔や行動を見てしまう心理(不安を解消させたい)と改善法がわかります。

人を見ないようにする方法は、いちいち気にしても何もいいことはないと実感するのが何より大事です。人のことをジロジロ見るのをやめたい男性、凝視癖を直したい女性はご覧ください。

人を見る癖の原因

玄関の鍵をちゃんと閉めたか、部屋の電気を消したか気になったときは、心配でチェックしたくなりますよね。職場や学校などで人をジロジロ見る癖とは、目視による確認作業です。

視線を向けることによって、相手が自分をどう思っているか確認できます。その人が自分の陰口を叩いたりしていないか、自分を嫌っていないかどうかを、はっきりさせることができるわけです。

人間は、わからないことがあると不安になります。人を見すぎてしまう人にとって、他人にどう思われているか不明な状態は、とても苦しいのです。その苦しみを静めるための反応が、人を見るという行為なんですね。

人のことを見てしまう人の生きづらさ

何度も人を見てしまうと、失礼なやつだと思われて相手に嫌われるおそれがあります。特に視線に敏感な女性からは、「怖い」「キモい」「気持ち悪い」などと言われるでしょう。

周囲の人に笑われたり噂されたりする。別に好きでもない相手に、好意を持っていると勘違いされる。たとえこういった目にあうとしても、わからないままでいるのはきついのです。

その目に映った事実を確認することによって、わからない不安がとりあえずは取り除けます。これが、人のことを見ると嫌われると認識していても、目で追ってしまうのをどうしてもやめられない理由です。

傷ついているから顔を凝視する

いじめられたり自分の悪口や噂話を聞いてしまったトラウマを持つ人は、人の顔色が気にするようになることがあります。そして人前で挙動不審になり、とてもつらい思いをします。

チラ見癖や凝視癖のある人には、過去に人間関係のネガティブな体験があったのでしょう。そのせいで、人と接するときに、きっと相手に悪く思われているだろうと思い込んでしまうのです。

他人を見るときに、無意識に真顔になったり睨んでしまうのも、相手が自分を嫌っているかもしれないという悪い想像がもたらす恐怖や怒りの影響で、顔が強張ってしまうせいです。

人の行動が気になる人は安心できない

父親や母親が短気な性格だと、子供はいつ怒られるかわからないため、家の中でリラックスすることができません。幼児期にやすらげない家庭で育った人は、家族の態度すら警戒するようになります。

親兄弟の言動が常に気になるようになり、自分以外の相手への愚痴や不満にすら緊張します。大人になっても、同じように彼氏・彼女(夫・妻)や友人の機嫌を気にしてしまい、相手をまじまじと見つめるのです。

親しい人は平気で嫌いな人や苦手なタイプの異性など、特定の人物だけを注視する人はわりといますが、身内や恋人といった本来なら安心できる存在でさえ、いつもジロジロ見てしまう人もいます。

人間観察する人の特徴

恋愛感情が絡んでいるケースでは、意識しすぎて(興味がありすぎて)好きな人を見てしまうパターンが多いです。また、自分を好きになってほしいという願望を、視線を送ることで伝えようとする人もいます。

さらに、会社の人間や外で道行く人に注目してしまうのも、人恋しさを覚えている場合があります。人が気になる人は、自分のことを他者から嫌われやすいと思っているので、寂しさを感じやすいです。

そして自らのそんな気持ちは、知るのが恥ずかしいしみじめだから目を向けないでいます。他人をよく見る人には、人間観察はするけど、自分の感情は確認できていない(自覚していない)ところがあります。

人の顔を見る癖を直す方法

心理学では、人間の行動はそれがどんなにマイナスに感じる行為であっても、本人にとって何かしらのメリットがあるから行うと考えられています。周りを見てしまうことのメリットは、様子を確認できる点です。

では、人を確認しないことのよいところはなんでしょう?それに気づくことが、他人の顔色や動作が異常に気になってしまう状態から抜け出すきっかけになります。

人のことを気にするより、見ないようにするほうがメリットがあるとはっきり実感できたなら、他者を視界に入れる意味はないと思えます。そのためには、それぞれの利点と弊害を考えてみましょう。

人を見ないことのメリット

他人の表情や動きを確認すれば、「どう思われているかわからない」という不安を解消できます。でも相手が自分の陰口を叩いていた場合、それを知って傷つきます。

チラ見することによって、さらに悪口を言われるおそれもあります。対して人をジロジロ見ない場合は、不安感は消えないままですが、その代わりに人のことを監視して嫌がられるような事態はなくなります。

他人によく思われていないという件についてははっきりしないままだけど、人のことをチラチラ見てしまうことでさらにしんどい状況に陥るのは防げます。どちらが損でどちらが得か、あなた自身の心に問うてください。

いちいちチェックしても何も変わらない

仮に、実際に誰かに悪く言われていたとします。でもそれを確認したところで、どうしようもないです。知ったからといって悪口をやめさせるのは難しいですし、相手を無理やり変えることもできないからです。

なんとも思われていなかった場合は、嫌われていないかずっと見張ることによって、下手したら本当に嫌われてしまいます。親しい人の機嫌も、気にかけたところで疲れるだけです(その人の気分は本人次第)。

好意があって気になる人を眺めてしまうのも、相手を不快にさせるなら抑えたほうがいいし、仲よくなりたいならコミュニケーションをとるほうが、見つめてばかりいるより恋愛に発展する可能性があります。

知ってもいいことはないと思う

「知らぬが仏」ということわざがあります。知れば腹を立てたり悩んだりして心を労することでも、知らなければ仏のように平静でいられるという意味です。また、「見ぬもの清し」といったことわざもあります。

こちらは、汚いものでも見なければ気にならないという意味です。自分の評判が気になるとき、そのことをはっきりさせてもさせなくても、結果は変わりません。悪い結果を知っても、ただ心を乱されるだけです。

人を気にしないようにするには、他人の動向を把握しても何もいいことはないとあらためて認識します。そもそも他者の心の内を完全に見透かすことなど不可能なので、気にしても無意味だと思うとよいです。

周りを見すぎる人のための対策

他人が気になって仕方ないときは、「見すぎないほうがいい」「目で追わないほうが得をする」「きっと気のせいだ」と心の中でつぶやき、気持ちを落ち着かせます。これは、宣言法という心理学のテクニックです。

言葉を宣言することによって、意思の強化や気持ちの切り替えが可能になります。急に人を見たくなったときの対処法となるでしょう。余裕がないときは、「大丈夫。大丈夫」と繰り返すだけでもいいです。

また、人と対面して話すときは、顔や目ではなく、相手の少し後ろに視線がいくように意識してみてください。目つきがソフトになり、相手を睨んだと誤解されることが少なくなるでしょう。

接客業でレジに立つときに、店内にいるお客さんをガン見してしまう人なんかは、動いている対象の後ろの空間に目をやるようにするとよいです。目線を遠くにおくという、相手を睨まないようにする対応法です。

人の行動に視線がいってしまう人へのアドバイス

近くの人が気になり目をやってしまった場合は、気づいた時点で見るのをやめるようにしてください。目が合った場合も、すぐに視線をそらすようにします。一回チラッと見ただけなら、相手も気にならないでしょう。

多少不自然でも、じーっと見続けてしまうよりはマシです。また、長年の癖は、そう簡単には直せないのが現実です。それに人間なら誰だって、多少は他人のことが気になるものです。

絶対に人を見てはいけないと思うと、それがストレスになります。我慢できなくて人のことを横目でつい見てしまったときは、自分を責めないでくださいね。人目が気になる性格の克服も、共通するテーマの記事です。

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