自分を許す方法|自分を許せない心理と過去の過ちとの向き合い方
恋人を裏切ったこと(浮気・不倫)に、最低なことをしたと後悔している男性。家族や友達を傷つけた、あの時の自分が許せないと感じている女性。仕事でミスしたことや、スポーツでの自分の失敗が恥ずかしい人。
自分を許せない心理と、過去の過ちとの向き合い方が、本日の心理学です。悪いことをしたりずるいことをしてしまった昔の自分が嫌い、過去の行いを思い出すたび苦しいという悩みを乗り越えるワークを解説しています。
罪のある私は、もう何をしてもダメだと考えるのが、自分の過去の行いを引きずってしまう人の特徴です。自分を許す方法は、罪滅ぼしによって前向きになることです。自分の許し方がわからない方は、お読みください。
人を傷つけた自分が許せないときの心理
人間は社会的な動物なので、集団から疎外される不安が潜在意識にあります。例えば、恥ずかしいことをしてしまった際に、自分は世間から受け入れてもらえないかもしれないと考えたり、仕事で大きなミスをしたときに、同僚たちはきっと私を責めているはずだと想像します。
そして、他者を傷つけるような行為をした場合は、相手から愛されない(捨てられる)恐怖にかられます。一度の過ちでも、裏切った自分を家族は愛してくれないだろうと苛むようなことがあります。
自分を許せない気持ちが強い人はこの愛情喪失の恐怖から、悪いことをした私は人から愛されることはない(愛されてはいけない)と感じ、自分に善の心や愛される部分もあるということを信じられなくなっている可能性があります。
過去の過ちが頭から離れない原因「悪い自分を受け入れられない」
人間は誰でも、自分のことをいい人間だと思いたいところがあります。そのため、自分が罪を犯したこと、自分に悪い心や恥ずかしい部分があったことを認めるというのはとても苦しいことなのです。
どうしても自分を許すことができない人は、私はひどい人間だと自らを罰し続けることで、無意識に過去の悪い自分を受け入れないようにしているといえます。深層心理では、他人を傷つけたり罪を犯したのも自分であったということを受け入れたくないのです。
だけど、自分の悪事と深く向き合うことができないと、自己嫌悪や罪悪感が残り続けます。さらに、自己非難に執着することで、自身の間違いを反省できる、ひどいことをしてしまった相手の心の傷を思いやれるといった、自らの建設的な能力を信じられなくなります。
また、いつまでたっても仕事で失敗した自分が許せない性格の人も、間違いのあった自分を受け入れたくない、もう何をしても取り返せない(会社に評価されることはない)といった、完璧主義の傾向にあるのです。
自己への許しとはどういうことか
私たちはしてはいけないことをしたと感じたとき通常、取り返しのつかないことをしてしまったと悔いたり、大切なものを傷つけてしまった悲しみを抱き、自分のことが許せなくてつらい状態に陥ります。
さらにそこから、自分が傷つけた相手を癒やしたい、壊してしまったものを修復したいといった前向きな感情、償いの気持ちが生じます。これが、精神分析家メラニー・クラインの提唱した抑うつポジションの概念です。
迷惑をかけた人に申し訳ないと思う気持ちを、自分を許さないことへのエネルギーにするのではなく、相手への償いといった前向きな行動の契機にする。取り返しがつかないと自分のしでかした行為をずっと引きずるのではなく、そこから罪滅ぼし(埋め合わせ)をしようとする。
自分は何をしても許されないといった落ち込んだ気分から、罪があるからこそ、傷つけた相手を思いやり同じ過ちを繰り返さないように反省したり、社会貢献をしたり、身近な人に親切にするといった積極性を持てるようになることこそ、自分への許しになるといえます。
自分を許すにはどうすればいいのか
自分の考えの足りなさ。心の弱さ。他者への思いやりを失念した瞬間があったこと。自分の過去の悪い行いについて、時間をかけて自分自身を見つめ、そこから相手の気持ちに目を向けられるようになることが、抑うつポジションを抜け出す鍵になります。
けれど、自分の罪と向き合うことは、精神的にきつい作業です。何度も挫折しそうになるでしょう。そんなときは、自分がなぜよくないことをしてしまったのか、自身の過失の背景にある心の事情を考えます。
家庭の問題があった。周りの環境が悪かった。当時は精神的なストレスでいっぱいいっぱいだった。愛されなさや孤独感を忘れたかった。あなたにも、かわいそうな面があったのではないでしょうか?
自らに慈愛の眼差しを向けることで、心の苦痛に耐え、ダメなことをした自分を受け入れられるようになります。迷惑をかけた相手への申し訳なさも、より実感できます。自分への思いやりが、過去の過ちを引きずるときの克服法です。
自分の過去の行いと向き合う方法「償いの道」
償いとは、一般的には謝ることや相手が困ったときに助けること、損害を与えた場合は補償することです。それだけでなく、相手の心の傷や迷惑をかけられて不快だった気持ちを思いやれるようになることが大切です。
相手が自分と会いたくないと思っていたり、よく知らない人に迷惑をかけてしまったケースでは、相手に何も償えていない申し訳なさを抱えながらも、日々反省の気持ちを忘れず、過ちを繰り返さないようにします。
身近な人に優しく接したり、自分のできる範囲で社会に役立つことをするのも罪滅ぼしになるでしょう。仕事やスポーツでの失敗なら、同じミスはしないようにする、職場やチームに貢献するといったスタンスです。
私は最低のクズだと自暴自棄になれば、改善は望めません。ひどいことをした人間でも、人生に絶望ぜずに生き方を変えられたなら、それは償いになるでしょう。更生は周囲のためにもなり、自分を許す意味があります。
なお、強迫的な謝罪や偽の償い(浮気中に罪悪感から夫・妻に優しくするなど)で、相手はもう平気だ、私は許されたと考えてしまうこともあるのでご注意ください。これを、躁的防衛や躁的償いといいます。
一度でも悪いことをした人間は一生許されないのか
罪は消えないのに、自分が許されていいのかわからないと悩む方もいるでしょう。人間はどんなに気をつけていても、生きていくうえで他者に迷惑をかけ、大切な人を傷つけ、いつくもの罪を重ねてしまいます。歴史上、人類は非道な行為をしたり、環境破壊もたくさんしてきたでしょう。
人間は皆、罪深いのです。だけど私たちはそんな人間(他者)を愛し、相手の幸せを願います。優しさや良心、失敗から学ぶ心も人は併せ持っており、世の中にとってよいことをする可能性があると信じているからです。
あなたも内省し善行を積むことで、自分には罪だけでなく他者への思いやりや反省の心があると、自分自身をもう一度信じられたなら、自分のことを許してもいいし、いいことをした分、幸せになっていいのではないでしょうか?
そしてあなたには、すでに許されていることもたくさんあるのです。自分が迷惑をかけた相手には許されていないとしても、その人と関係のない人生を生きること、美味しい物を食べたり娯楽を楽しむことなどは許されているでしょう。
厳しい言葉を投げかけられたり、拒絶されたり、世の中の厳しさを感じることもあるかもしれませんが、罪のある自分を心配してくれる人、助けてくれる人、愛してくれる人、普通に接してくれる人もいると思います。そんな世界の優しい面に、自分が許されていることに、ありがたいと思ってみてください。
自分を許すのが難しいときの対策は他人を許す
他人の間違いを大目に見ることは、自己非難を解消するきっかけとなる場合があります。あなたの人を容赦する寛容的な思いがそのまま、自分を許せるようになる言葉となるからです。
他人の過失をとがめないといっても、人のしたことを無条件に許容すればいいわけではありません。人間の不完全さを受け入れたり、その人の苦しい事情や反省の気持ちを理解して、きちんと納得できたうえで人の過ちを許すことが大事です。
他人も同じ人間です。あなたが間違いを犯したように、他人も間違えます。そして、あなたがそうであったように、他人も自分の行いを悔やみ、自省しているのかもしれません。その苦悩に共感するあなたの人への情け、愛情によって、自分自身も救われるのです。「情けは人の為ならず」です。
昔したことで苦しいときの対処法
バレていない昔の浮気を告白することで、好きな人が傷つく心配があるパターンでは、伝えることが相手のためを思っての行動なのか、過去の過ちの苦しみから自分が逃れたいだけなのかの見極めが大事です。
大人になって出会った人に、子供の頃の自分の行いを黙っているのが後ろめたいときは、人間誰だって言うのが怖いことはあるのだから、(過ちに関しては反省しつつも)過去のことを言えない私の弱さも許そうと思います。
罪悪感に苛まれる人の心理と癒やし方や、自分を責めすぎる心理を手放す方法も、自責の念にかられる状態からの解放に役立つ記事です。他者への許しについては、人を許す方法を参考にしてください。
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