自分を責めるのをやめるには|自分を責めてしまう人の心理と特徴

手で顔を覆う落ち込んだ様子の女性のイラスト

世の中には、責任感が強すぎる人がいます。仕事での失敗で自分を責めすぎる、恋愛や人付き合いでのトラブルを全部自分が悪いと思ってしまうといった、いちいち自責する癖があると疲れるでしょう。

いつも自分を責めてしまう人の心理と特徴は、ほかの影響を考えずに、自身の性格や能力のせいにしてしまうことです。自分を責めるのをやめるには、自責の念への反論とわからないことへの不安を手放すことです。

なんでも自分のせいにする性格を直したい人はお読みください。また、自分を責め続ける夫・妻が心配、思い詰めている友達に何かしてあげたいといった方には、すぐ自分のことを責める人にかける言葉をお教えします。

自分を責める癖の原因

何か問題が起きたときに原因を自身の内的要因、つまり自分のせいにする癖を、自責思考(自罰)といいます。例えばテストの点が悪かったのを、「勉強不足だった」「私の頭が悪いせいだ」と考えることです。

対して外的要因、誰かや何かのせいにするような考え方を、他責思考(他罰)といいます。点数が悪い原因を、「先生の教え方が悪い」「問題が難しすぎるせいだ」「運が悪かった」と思うことですね。

自分を責めやすい男性・女性には、そのまじめさゆえに、出来事の結果を他者や状況といった自分の外側のことにできずに、自らの性格や能力・努力といった自分の内側の責任にする傾向があるといえます。

自分を追い詰める人の特徴は極端

自責思考の人は責任感が強いので、がんばり屋で問題解決能力が高いところが長所です。だけどナイーブで、小さな失敗に過剰に反応したり、他人の気分に左右されるといった短所もあります。

気難しい性格の彼氏・彼女が、何かの拍子にデート中に不機嫌になったことを、「こんな日にデートに誘った自分が悪い」「やっぱり私じゃダメなんだ」「もうすべておしまいだ」と感じてしまうなどです。

天気予報では晴れだったのに雨が降ったなら、「私が雨男・女だから」と思う人もいます。自責思考が強すぎると、自分が意図した結果ではないような事態まで、自分の責任にしてしまうのです。

全部自分のせいにしてしまう心理

大切な人が何も告げずに去っていったときなど、理由がよくわからないときも自分を責めがちです。どうしてかというと、相手の真意といった外的要因を推察するだけの情報が不足しているからです。

事故や事件・災害に偶然巻き込まれるなど、予測不能な出来事に関して自分の責任のように感じる心理には、日常生活に潜む脅威をコントロールしたいといった願望によるものです。

いつどんなふうに被害に見舞われるかもしれないというストレスをなんとかしたいから、〇〇さえしていなければひどい目にあわなくてすむと考えてしまい、〇〇した私が悪かったと自責の念に苛まれるわけです。

依存したくて自分を責め続けてしまう

いつまでも自分のことを責め続けるのは、とてもしんどいです。しかしそんな自分を追い込む苦しい行為にも、実は隠されたメリットがあります。それは、人から同情されることです。

自分が悪いんだと思い詰める人のことは、かわいそうだと感じる人が多いですよね。申し訳ないと泣いたりふさぎ込んだりする痛々しい姿を見て、優しい言葉をかけてくれる人も現れるでしょう。

無意識による行動ですが、「私がいつも自分を責めてることを、周りの人にわかってほしい」「この悲しみを誰かに慰めてほしい」といった思いから、必要以上に自罰的になってしまう人もいます。

自分を責めない方法

よく自分のせいにしてしまう人は、自分では客観的に考えているようでいて、誤ったものの見方をしています。自分を責めないコツとは、他者の行動や環境・偶発的な要素も考慮することです。

仕事で失敗したときは、経験の有無やそのときの体調、上司・先輩のチェック(特に新人の場合)、職場の業務体制も関係してきます。夫婦喧嘩も自分のせいだけでなく、パートナーの性格や態度が絡んできます。

いじめられた場合は自分の性質だけでなく、いじめっこの気質や家庭環境はどうなのでしょう?他者の身勝手な言動にまで責任を感じるケースでは、「私が望んでそうさせたわけではない」と思ってみてください。

さらに、「この出来事は自分一人だけにしか起こらないことか?」「ほかの人たちにもあることなら、自分の能力(魅力)が特段低いわけではない」と考えます。中には、偶然が重なって起こるようなこともあります。

自責思考の克服には気づくことが大事

自身の内的要因ばかり気にする考え方を修正して、帰属(心理学では出来事の原因や責任を考えるという意味)のバランスをとることが、なんでも自分のせいにしない方法です。

自罰傾向にある人は、自分を攻撃する言葉ばかりが頭に浮かんできます。自己非難の声に気づき、その習慣をやめようと思うだけでも、自責癖が止まらないときの対処法になります。

遅刻したことや失恋などの記憶を、毎日思い出して落ち込んでしまう人は、嫌な気分になったときに「あっ、また自分を攻撃している」と自覚します。これだけで、自分を責める思考をいったんストップできます。

自分を追い詰めないためには行動を起こす

自分を責めることをやめたいからといって、すべて人のせいにする生き方も成長しないし、人間関係が悪くなるので注意しないといけません。自分にも落ち度がある場合は、ちゃんと反省することが必要です。

その際に自分を責めすぎないためには、自責思考のいい面を利用します。人間がなぜ自分を責めるのかというと、「もう間違えたくない」「人に迷惑をかけてはいけない」といった向上心や良心からでしょう。

自分を追い詰めてしまう人は、同じ過ちを繰り返さないための対策を考えるなど、今できることに取りかかり乗り越えるのです。自分を責めてばかりいるより前向きになるのも、すぐに自分を責める性格の改善法です。

自責の念の手放し方は真相にとらわれない

理由が明らかではないことで自責の念に駆られてしまう人は、不足している情報を集めることです。他人の行動の意味が知りたいなら、本人の考えやあなた以外の何かの影響が及ぼされていないか探ります。

しかしそれでも、わからないときはあります。あなたが自分を責めていることは、あなたの意思ではどうにもできないことかもしれません。人生では、どんなに気をつけていても不測の事態は起きるからです。

対人関係のいざこざ、健康の問題、突然の不幸などを、完全に防ぐことはできないです。人生が完璧にはいかないことを受け入れるのは、自責の念に押し潰されそうなときに抜け出す手段です。

他人の選択もあなたにはコントロールできないことだし、人の本心もそれが絶対かどうかはわからないです。ムダに自分を責めないための心構えは、考えてもわからないことがあってもいいんだと思うことです。

ずっと自分を責める癖を直す方法

自分を責め続けることがやめられないのなら、どこかに人に慰めてもらいたい気持ちがないか意識してみます。これは誰にでもあることなので、そのことで自分を責めたりしないでしてください。

そしてできるなら、自分を責めてしまうことがすごくつらいこと、誰かに頼りたいことを、家族や恋人・友人といった信頼できる人物に、勇気を出して吐露してみてください。

実際に優しい言葉をかけてくれた人のことを思い出すのや、「そんなに自分を責めないで」「あなたのせいじゃないよ」などの人に言われたいセリフを自分自身に言うことも、自責的な人の心を癒やす方法です。

自分を責める人にかける言葉

常に自分を責めている旦那・嫁、罪悪感でいっぱいの息子・娘への接し方がわからないという方は、相手にご自身の恥ずかしい経験や身近な人の失敗談を語ってあげるとよいでしょう。

そして「気にするな」という言い方をするのではなく、「あなただけじゃないよ」「そんなに自分を責めなくてもいいんだよ」と励ますような対応をとってみてください。

自分を責めすぎている人に声をかけたいなら、「苦しいんだね」「私はあなたに幸せになってほしい」「あなたの元気な姿が見たい」といった言葉で相手に愛情を伝えてみるのもいいですね。

消えない罪悪感からの解放や、自分を許せない性格の直し方にも、自分をとがめないためのアドバイスが書かれています。よく自分を追い詰めてしまう人は、ぜひチェックしてください。

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