人を許す方法|許せない裏切りの許し方と恨みや憎しみを消す方法
みなさんにも、どうしても許せない男性や女性がいると思います。中には、大切な人に裏切られた経験のある方もいるでしょう。今回は、人を許す方法についての心理学のお話です。
浮気した彼氏・彼女。不倫した旦那・嫁。子供の頃に自分をいじめた人間。聞き捨てならない一言を言った職場の上司や先輩・学校の先生。こんな許せない裏切りの許し方や、恨みや憎しみを消す方法をお教えします。
悔しいからと憎い相手に仕返しをしても、さらに嫌な気分になるだけです。復讐という行為に罪悪感を抱き、落ち込むはめになります。人のことを許したいなら、相手と自分、両方の気持ちをわかってあげましょう。
人を許せないときの心理
- 許せないのはどこかで自分を責めているから
- 家族に思いやりがないのは、私が誰にも大切にされない人間だからだ。喧嘩した友達にひどいことを言われたのは、私の性格に問題があるからだ。
- 彼氏(彼女)が二股をかけたのは、私に魅力がないせいだ。夫(妻)が浮気をしたのは、私の愛情が足りなかったからだ。
- こんなふうに自分を責める癖のある人は、傷つけられたことをいつまでも根に持ってしまいます。怒りや憎しみが消えない理由は、心のどこがで自分が悪いと思っているからです。
嫌なことをされたあと、何年たっても腹の虫がおさまらない場合は、潜在意識のレベルでどこかで自分にも落ち度があったと思っている可能性があります。
「私は人から愛されない存在だ」「私は人を愛せない人間だ(人を許してあげない心の狭い奴だ)」と自分のことを責めているのです。自分を責めてしまうと、自分自身への怒りが生まれます。
その怒りが、自分を傷つけた相手に向かいます。許しがたい人物への感情が、第三者に向かうこともあります。恋人への憎悪が浮気相手に向けられたり、父親や母親へのうっぷんが兄弟・姉妹に向けられたりなどです。
人を許すとはどういうことか
- 人を許す意味は自分の幸福にある
- 許そうとしないことに執着すると、毎日イライラしてばかりで人生を楽しめません。恨みつらみを抱えて生きることで、暮らしの中にある楽しみに集中できなくなります。
- 人を恨む日々は、しんどいです。喜びを感じられなくなります。悪いのは相手のほうなのだから、あなたが不幸な状態にしがみつく必要はないはずです。
- 人を許すということは、相手のためにするものではありません。自分が楽でいられるために、忘れられない出来事を乗り越えるのです。執着を手放すと、ネガティブな感情から解放されます。
嘘をつかれたり、侮辱されたり、いじめられたりすることはとても悲しいです。ひどい目にあわされたのは私のほうなのに、なぜ相手のことを許さないといけないのか、意味がわからないと思うでしょう。
無理だと感じるのも当然です。絶対に許してやるもんかという気持ちも、心のどこかにあると思います。けれどずっと誰かを恨み続ける生き方は、すごく苦しいです。
人のことを許した分だけ、心が楽になるのです。相手のためではなく、自分が幸せになるために許そうと思うことが、人を憎む気持ちでいっぱいな状態から前向きになる方法です。
恨みや憎しみの消し方
- 自分が悪くないことを再確認する
- 自分を責めている人ほど、他者への憎悪が激しくなります。どうしても許せない人がいるときは、無意識に自分を責めていないかチェックしてみてください。
- あなたにも欠点や至らない点はあったかもしれませんが、それは相手も同じはずです。相手のほうがずっとひどいことをしたと思いましょう。
- 事のあらましをノートに整理し、もう一度自分が悪くないことを確認してください。嫌な目にあわされた原因を自分のせいにしないことが、恨みつらみの手放し方になります。
憎い人物とのエピソードを思い出しても、心乱されることなく生活できるようになるためには、自分にはまったく落ち度はなかったのだと心の底から思えるようになりましょう。
そのためには、事実確認が大事です。頭ではわかっているつもりでも、心ではやっぱり自分が悪いと感じていることがあるので気をつけてください。
また、不快な気分が蘇るたびに、「私は悪くない」「相手のほうがおかしかった」と心の中でつぶやいてみてください。自分を責めていないことが、人を気持ちよく許せる人の特徴です。
許したあとの付き合い方は
- 許すことは相手と仲よくすることではない
- 自分にひどいことをした人間とまったく後腐れなく付き合えるなんて、聖人レベルの人物だけです。そんな高尚な人間を目指さなくてもいいのです。
- どこかで見かけたときに、避けたり無視するようなことがあってもいいです。相手が会社の同僚で、何かの用事で接する場合に、ニコニコ対応できなくても大丈夫です。
- その人と仲直りするのではなく、無関心になることを目指しましょう。相手がどこで何をしていようと関心を持たなくなることが、許しの目標です。
もし仲の悪くなった相手のことを許してしまったら、その人に優しくしないといけないのではと考えて、なんだか不安になってしまう人もいるでしょう。
しかし、これ以上相手をとがめないといっても、あなたがこうむった迷惑を帳消しにできるわけではないですよね。相手の非がなくなるわけでもないです。だから、嫌いな人と無理して付き合う必要などないのです。
他者への許しとは、あなたが穏やかに暮らすためのものです。相手を好きになることではありません。これまで許せなかった人に寛容になるのと、その人物と再び関わりを持つことは違います。
人の許し方
- 相手の事情を想像する
- 何か嫌なことがあって機嫌が悪かったのかも。仕事や家庭でのストレスがたまっていて、余裕がない状態なんだ。今までの人生で傷ついてきたのだろう(悲惨な子供時代だった)。
- こんなふうに相手の心の事情を想像することで、決して許すことができないと思っている人にも、少し同情的になれます。
- 相手はあなたよりも、心の弱い人だったのです。人間の持つ弱さや不完全さをより深く理解していくことで、あなたは他人の過失を許せる強さを獲得できるでしょう。
- 私なら絶対にそんなことはしないと思う他人の行動に関しては、もしその人と同じ状況・状態だったとしたら……と考えてみてください。
よくドラマなんかで、誤解から仲違いした二人が、事実を知って和解するような話ってありますよね。現実でも、そういう事情なら無理もないと思うようなことはあります。
それと同じで、あなたも相手の事情を知れば、許せるはずがないという思いを解消できるでしょう。相手の背景を知りようがない場合は、こういったことがあったのかもと想像してみるだけでもいいです。
他者の軽率な行動や不愉快な行為に対して、この人にもかわいそうないきさつがあったのだろうと考えてみることで、あなたはほんのちょっと優しい気持ちになれ、相手を容赦できます。
好きな人の裏切りを忘れる方法
- してくれたことを思い出す
- なかなか許せないでいる相手が身近な人の場合、なんとかその人のしたことを大目に見て、もとの関係に戻りたいと願う人もいるでしょう。
- そのようなケースでは、相手がしてくれてうれしかったことや、日頃の感謝できるような点を探してみてください。悪い行いだけでなく、よい行いも認めることで帳尻を合わせるのです。
- 反省している様子が見てとれる。同じような失敗を繰り返してはいない。今は自分によくしてくれている。家族や周囲の人に対しても優しい。その人なりに自分を変えようと努力している。
- 人を許す心を持つには、こういった現在のその人の姿も見てみましょう。言葉を信用できないときは、行為や態度を頼りに判断するのです。
自分を裏切った人が身内や恋人・友人で、本当は仲直りしたい場合の対策です。裏切られたけど好き、しかしそう簡単には許せないときは、相手のいい面を見ることでムカつく気持ちを克服していきます。
自分にしてくれたことだけでなく、他人にした親切も評価してみてください。自分がされたことじゃなくても、あいつ案外いい奴なのかもと思えます。
もし相手がちゃんと謝ってくれたのなら、それもよい行いとしてカウントしましょう。昔してもらったことを振り返り再評価するのは、元カレ・元カノや別れた夫・妻に対する許しにも役立ちます。
また、過去の不義理より現在の関係を重視することが、一度裏切った人を信じる方法になります。この人は以前とは違うと実感できたなら、相手を受け入れることができるはずです。
相手のしたことを許容できないときの対処法
- それでも許したくない自分を認める
- 許しに取り組むことが負担になる場合は、無理をしないでください。それだけひどいことをされたのだから、相手を受け入れられなくても、あなたは何も悪くありません。
- 厳しい目で見てしまう人が存在するのも、あんなことをされたのだから仕方ないと、前向きにとらえてみましょう。人を許すことのできない自分を受容することには、メリットだってあります。
- それは、いつか他人のことを許してあげられるようになるきっかけとして作用します。だってあなたは、一つの許しを実践できたことになるのですから。
許しは、容易にできることではないです。どんなにがんばっても難しいこともあります。許すことがあまりにもつらいのなら、許さなくていいのです。それを非難できる人なんて誰もいません。
人を恨んでしまうとき、あなたの注意は相手にばかり向けられています。だからもう少し、自分のほうに意識を向けてみましょう。あなたの本当の望みは、恨みを晴らすことなんかより「わかってほしい」ではないですか?
もしそうなら、自分の苦しみをわかってあげることが、悔しさやみじめさといった心の傷を癒やす力になります。「あんなことされて悲しかった」「こんなことを言われて傷ついたな」と自分を慰めてあげるのです。
他人の過ちを水に流すコツ
他人のささいなことでも勘弁できない性格を直したい人の場合は、自らに許しを与えることにチャレンジしてみるのもいいです。自分の間違いを許せるようになると、他者の失態にも寛大になれます。
自分の行いを許容していく過程で、私も許されているのだから、あの人のことも大目に見てあげようというマインドになれるためです。詳しくは、自分自身を許すにはを参考にしてください。
また、恋愛の裏切りでモヤモヤしている方には、浮気した人との付き合い方が役に立ちます。そして好きな人との仲直りに関しては、喧嘩したときの和解の仕方もご覧ください。
スポンサーリンク