傷ついた心を癒やす方法|言葉や心理ワークによる心の傷の回復
いじめや幼少期の両親との関係で、心に傷を負った人。彼氏・彼女の浮気による失恋、夫・妻の裏切りで、心が傷ついたとき。上司・先輩や先生・面接官の心ない一言で、自尊心を傷つけられたとき。
本日の心理学は、心の傷の回復についてです。「自分だけじゃない」「人は強い」などの言葉や、「投函しない手紙」といった心理ワークで、仕事や人間関係・恋愛で深く傷ついた心を癒やす方法を紹介します。
自分で自分の心を癒やしたい、つらいことがあったときの立ち直り方を知りたいという人はお読みください。注意点として、トラウマと向き合うことがあまりにも苦しい場合は、無理はなさらないでくださいね。
人に傷つけられたときの対処法
本当は悔しいのに何も言えない。つらいのに笑う。自分の感情を見ないようにして平常心でいようとするのが、心に傷を負った人の特徴です。心の傷に触れるのが痛いから、感情を抑圧してしまうのです。
心に深い傷あとが残るとは、悪口や暴言・意地悪・偏見・パワハラ・モラハラ・裏切りといった、他人のネガティブな行為による影響を受け、人のことが嫌いになったり怖くなっている状態といえます。
心が傷ついたときに立ち直るためには、自分を傷つけた人間のとらわれから抜け出すことです。もう忘れたいなら、紛らわすよりちゃんと怒り、悲しみます。あなたの感情こそが、あなたの心の傷を癒やすのだから。
「出さない手紙」で精神的なダメージから復活
いまだ心の中に存在する、あなたを傷つけた人物の影響下から脱出するには、相手と決別するための手紙を書いてみましょう。相手への怒りや恐怖心を乗り越えるために、手紙で言いたいことを伝えるのです。
気持ちを文字にして紙に書くことはライティング・キュアといい、癒やされない心の回復に働きます。手紙といっても投函はしないので、相手と直接対決したりせず、トラブルの心配もありません。
自分一人でできるため、誰にも話したくないことも表現できます。ノートやメモ用紙に記して、書き終わったあとは捨ててしまってかまいません。区切りをつけて過去を解消するセルフワークです。
当時、どんなことが悲しかったのか。現在、どういう状況でつらいのか。言ってやりたいこと、思いのたけを遠慮せずに綴ります。相手が好きな人の場合は、寂しさや恋しさ、別れの言葉も一緒に記述するとよいです。
自尊心が傷ついたときは意識して自己肯定的になる
自尊心が傷つくとは、「こんな目にあうのは、お前が悪いんだ」「ダメなやつだ」「気持ち悪い」といった、人を傷つける相手の言葉や態度に、心のどこかで同意してしまっている心理状態をいいます。
傷ついた自己肯定感を回復させるには、相手より自分の言葉を信じることです。「私は悪くない」「ダメじゃない」「キモくてもいい」と口に出してつぶやいたりして、自分自身への否定的な印象をぬぐうのです。
それに本当に苦しむのは、ひどいことをした側のはずです(自身がしたことの自己嫌悪や罪悪感により)。しっかりと事実を認識し、昔の傷にいつまでもとらわれ、苦しむいわれは私にはないと思いましょう。
人間関係で負った心の傷の癒やし方
対人関係が原因の癒えない心の傷は、人との触れ合いによって修復されることが多いです。家族や恋人・友達といった好きな人との交流で愛に触れたり、優しい人と付き合い人間のいい部分を感じとってください。
旅先で見ず知らずの人の温かみを感じるのも癒やしになります。SNSのトラブルで悲しくなったときも、ネットの明るい面を見るといいです。人と会いたくないときは、動物や植物と触れ合うのもいいでしょう。
お庭で土いじりをする。散歩しながら景色を見る。森の中で深呼吸する。ただ風に当たる。自然に触れることも、ヒーリング法になります。リフレッシュできるし、人間の本能が呼び起こされるので元気が出ます。
傷ついた心を癒やす言葉
「嫌な目にあうのは、自分だけじゃない」この短い言葉は、もっとつらい目にあっている人もいるんだから、こんなことくらいでくよくよするなといった説教や、傷ついたら負けと踏ん張ることではありません。
ひどく傷ついたとき、私たちは自分を責めます。よくないことが起きたのは自分に落ち度があったせいだ、信じていたのに裏切られたのは私が愛されない人間だからだと、無意識に考えてしまいます。
けれど人生は不条理で、みんな心に傷を負うような体験をします。誰にだって起こりうるのだから、被害にあったこともそれで今ボロボロなのも、私のせいではないのだと自身を励まし、自己非難を手放してください。
つながりを感じることで心が楽になる
人があまり経験しないような災難に見舞われたケースでは、自分とは違うけど同じくらい、またはそれ以上に苦しんでいる人もどこかにいると、その人たちの気持ちに共感してみることで心の痛みを和らげます。
同じ国や世界に、同じように傷ついた人たちが、仲間がいてつながっているイメージをしてみるのです。そんな想像をすると、不安で涙が止まらないときもひとりぼっちじゃないとほっとして、心が落ち着きます。
また、他人の傷ついた気持ちをわかろうとすることで、自分自身が救われるパターンもあります。なぜなら、他者の心に寄り添うことは、自らの痛みをわかってあげられるようになる包容力として還元されるからです。
たくさん傷ついた分、幸せになっていい
自尊心を深く傷つけられたせいで、いつも落ち込んでいる。無気力になって何もしない日がずっと続く。そんなやるせなさを克服するには、人生の目的を思い出すことです。あなたの生きる意味はなんですか?
きっと好きなことをしたり、家族や友人と喜びを分かち合ったり、彼氏・彼女や配偶者と愛を育むことではないでしょうか?そのことを思い出し、もう一度笑顔を取り戻そうと決意するのです。
傷つくことがあっても、人生を楽しむことを忘れないようにします。「怒」や「哀」だけでなく、「喜」や「楽」も大切にしましょう。いっぱい傷ついたら、その分、私はもっと幸せになっていいと思います。
深い悲しみからの立ち直り方
なぜ自分がこんな目にあうのか、理由がわからない。何もかも嫌になって泣きたい。傷つき体験から立ち直れないときは、自分の身に降りかかった出来事を拒絶するのではなく、ただ受け入れることです。
悔しいしひどいし、許せないし不公平だけど、起きたことは変わらない。理不尽なことも、自分の人生の一部なんだと受容する。自己憐憫から解放され、心穏やかに一歩前に踏み出せるように。
人は事故や災害といった、どうしようもない苦難をも乗り越えます。一度あきらめても、また前に進もうとする。時には絶望するが、再び立ち上がる。人間のレジリエンス=成長や再生の力を知るのです。
そしてあなたもまた、心の傷を抱えながらもサバイブする強い人間です。そんな自分の生きる力を、すごいと思いましょう。傷だらけの自分は弱いのではなく強いという考え方で、自分の心を癒やす方法です。
時間が心の傷を回復させる
嫌なことがあったらムカつくし、ひどいことを言われたらすごく傷つくのは当たり前です。泣きたいなら泣いていいし、甘えたいなら誰かを頼っていい、会社や学校に疲れたなら休んでもいいと思います。
それは決して、ダメなことではありません。何もやる気が起きない場合は、無理して心のケアをがんばろうとしないで、ただ淡々と日常を過ごすだけでもいいのです。時の流れも、過去の心の傷を癒やしてくれます。
嫌なことを忘れる方法も、共通するテーマの記事です。他人の何気ない一言をいちいち気にしないようになりたいなら、ちょっとしたことで傷つく性格の直し方の心理テクニックをチェックしてください。
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