傷つきやすい性格の直し方|繊細な人の心理と傷つかない人になる方法
他人の何気ない一言を重く受け止める。仕事の失敗や恋愛の問題でナイーブになることが多い。人の言葉や態度にいちいち敏感に反応するせいで疲れる。すぐに傷ついてしまう性格に悩む男性や女性はいませんか?
ちょっとしたことで傷つく人は、生きづらい人生でしょう。人間関係で心にダメージを受けるのが怖い。自分がなぜ繊細すぎるのか知りたい。そして落ち込みやすいところを直したいと思ってはいないでしょうか?
本日は繊細な人の心理と、ささいなことで傷つかない人になる方法についての記事です。嫌な出来事を違う視点から見る習慣を身につけることが、傷つきやすい性格の直し方となります。
傷つきやすい人の特徴
- 自分を責めている
- 人間が心に傷を負うのは、自分のことを責めているときです。自身がなんとも思っていないことなら、他人に何か言われてもダメージを受けたりしません。
- 自分自身がダメだと思っていること、つまり自己嫌悪や劣等感を抱いているものに触れられると心が傷つくのです。極端な例を出せば、誰かに「やーい、地球人」とからかわれて悔しいですか?
- 悔しいわけないですよね。きっと相手を変な人と思うだけでしょう。傷つかない理由は、地球人であるということになんのコンプレックスも感じていないからです。
- 自分自身が気にしていないことなら、人からバカにされても気にならないのです。他人に何を言われたかではなく、自分の心がどう感じたかが重要です。
太っていることを気にしている男性は、他人に「デブ」と言われたらとても傷つくと思います。しかしお相撲さんなどスポーツのために体を大きくしている男性なら、「デブ」と言われてもおそらく動じません。
がんばってダイエットをしている女性なら、「細い」と言われたらきっと喜ぶでしょう。反対に痩せすぎな体型を気にしているなら、他人が褒め言葉のつもりで「細い」と言ったとしても、ひどくショックを受けます。
人によってグサリとくる言葉は違うわけです。それは、本人が他人の発言をどう受け取るかによります。ナイーブになるとは、自分で自分の心を傷つけている状態をいうのです。
原因が自分にあるという考えは、へこみやすい男女にとっては厳しいかもしれません。けれどそれは同時に、自分次第で少しのことで傷つく性格を改善できるという希望にもなります。
人が傷つくときの心理
- 愛されていない自分を責めている
- 父親や母親に大事に思われていないような気がして苦しい。彼氏や彼女、旦那や嫁に気持ちをわかってもらえず胸が痛い。
- 職場で同僚からないがしろにされている感じがして泣きたくなる。いじめられたり陰口を叩かれたり、人から好かれないことがつらい。
- こういった事柄はすべて、他者に愛されていない自分を責める気持ちに集約されます。私たちは人から思われていないと感じたときに、深く傷つくのです。
人付き合いで傷つくことの多い人は、人に大切に思われないような自分はダメだと思っています。潜在意識で愛されない自分のことを責めているのです。
ただし誰かにひどいことをされて傷ついたときに、立ち直れないのは自分のせいだとか、打たれ弱いのは自分が甘えているからだとは思わないでください。
いくら動揺してしまう理由が本当は自分の感じ方にあったとしても、人を傷つけるようなことをする人が悪いのであって、心にダメージを受けた側は何も悪くありません。
対人関係において、他者が傷つかないように言葉の表現や態度に配慮することは大切です。他人の無神経な一言や意地悪な行動がなければ、あなたが悲しむこともなかったでしょう。
よく落ち込む人の共通点
- 人から大切に扱われることを期待している
- 愛されていないと感じたときに自分を責めるということは、他人は自分を愛してくれるものだといつも期待しているとも考えられます。期待しているからこそ、敏感に反応してしまうのです。
- しかし他人も自分のことで精一杯のときがあります。それに世間には、優しくない性格の人だっています。周りの人たちがいつもあなたを大切に扱ってくれるとは限りません。
- それなのにいちいち傷ついてしまうのは、他者の行動の意味をいつも自分への評価に結びつけているためです。そうすると人からちょっと言われただけでも、大げさに考えてしまいます。
ハートが傷ついたときは、まず自分自身が人から大切にされない自分を責めていないか、他人に期待しすぎていないか分析してみましょう。自覚することが、人間的な成長を遂げるきっかけになります。
そして日常生活でなるべく傷つかないように生きるためには、いい意味で人に期待しないことも大事です。相手に求めすぎないことで、もっと図太く鈍感になるのです。
また、期待は裏切られると怒りになることがあるので、怒りっぽい人は実は傷つきやすい人である可能性が大きいのです。イライラしたときは、自分が傷ついていることに気づくと気持ちが楽になります。
人の言葉や態度に傷つかない方法
- リフレーミング
- 人の言動を悪く受け取って自分を責めるのが傷つきすぎる原因なら、グサッとくる言葉や出来事の受け取り方を変えさえすれば、心のダメージを減らすことができるはずです。
- リフレーミング(reframing)とは、物事の受け止め方を変えることを意味する心理学の用語です。リフレーミングは、考え方をネガティブなものからポジティブにする技術になります。
- マイナス思考こそ、物事を悪く受け取る人の理由です。ナイーブになりやすい性格を克服したいなら、傷つき体験の解釈を変えるワークにチャレンジしてみてください。
試しに、誰かに「キモい」と言われて落ち込んだケースをリフレーミングしてみましょう。「人に気持ち悪いと思われる私はダメな奴だ」という思考を、「悪口で言ったのではなく、冗談だったのかも」と変化させます。
悪意があった場合は、「人が傷つく言葉を言う人の性格に問題がある」「私のことをキモいと言う人だって、誰かに気持ち悪いと思われることはある」「私に好意的な人だっている」と考えます。
物事の解釈は、いろいろな角度からすることができます。小さなことでストレスを感じてへこまないようになるためには、一つのものの見方にこだわらずに、さまざまな発想をしてみましょう。
解釈の数を増やすほど、多様な考えが身につきます。メンタルが強い人とは、多角的な考え方ができる人をいうのです。過去のつらい経験も、リフレーミングで癒やすことが可能です。
リフレーミングの実践
-
容姿のことや仕事ぶり・学力などの能力を批判されたとき
- 誰にだって外見の欠点はある。人間は見た目だけじゃない、中身も大事だ。他人の容姿をバカにする発言は、幼稚な人間のすることだ。意地悪な人の言葉をまじめに受け取る必要はない。
- 誰にでもミスはある。人間は完璧じゃない。批判している人にだって、できないことはあるはずだ。私だって自分なりにがんばっている。〇〇は苦手だけど、~だったら人より得意だ。
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夫婦や恋人・友人関係でナイーブになったとき
- 友達に既読スルーされたのは、最近忙しいからなのかも。ママ友の言い方がきついのは、私だけでなく誰に対してでもそうなのだろう。
- 私がひどい振られ方をしたのは、元カレ(元カノ)がひどい人だったからだ。夫(妻)が嘘をついたり浮気するのは、私が愛されない人間だからではない。相手が誰でも裏切る人なんだ。
ご近所さんにあいさつをしたのに無視された場合のリフレーミングのやり方は、嫌われているわけではなく、別の問題で機嫌が悪かったのかもと受け止め方を変えます。
クラスメイトがそっけない態度をとるのは、あなたが嫌いだからではなく体調が悪いだけの可能性もあります。家族に怒りをぶつけられたのも、自分が悪いのではなくたまたま八つ当たりをされただけかもです。
好きな人からメールの返信がなしだとへこむ人は、「私に無関心だからではなく、相手がメール不精なだけなのかも」と思ってみましょう。他者の態度に不安を覚えたときの視点の切り替え方です。
また失恋や離婚に関しては、「片思いの相手が脈なしだったとしても、失恋は誰もが経験する」「世の中には、悲しい別れ方をするカップルもいる」といったアプローチをしてみてください。
繊細すぎる性格を直す方法
- 悪い解釈もいったん受け入れる
- リフレーミングのコツは、ネガティブな感情を見て見ぬふりしないことです。悪い解釈を見ないようにしてしまうと、それが解消されずに心の中に残ります。
- そのため、いい解釈に自信を持てなくなるのです。リフレーミングがうまくできないときは、後ろ向きな発想を受け入れたあとに前向きな考え方をしてみましょう。
- 自分が無意識に感じているネガティブな発想を否認するのではなく、いったんは認めるようにしたほうが、傷つきからスムーズに立ち直ることができます。
太っていることをからかわれてナイーブになった場合を例にあげると、「確かに痩せている人のほうがモテるかもしれない」と、まずネガティブな気持ちを受け止めます。
そしてそのあと、「でも私は私なんだから、人に何を言われても別にいい」「それにこんな自分を好きになってくれる人もいる」とリフレーミングします。
勉学やスポーツに関してけなされた場合は、「確かに自分は勉強(運動)ができない。でも~だったら得意だ」「私よりすごい人はいる。でも私だって自分なりにがんばっている」といった具合です。
ネット(SNS)で中傷を受けたケースでは、「人に悪く言われることは悲しい。けれどひどいのは、心ない一言を書き込む人たちのほうだ」というような感じに行います。
すぐナイーブになる癖の対処法
- 傷つきやすい自分をリフレーミングする
- 暴言を吐かれたりひどいことをされたのなら、傷心するのが当たり前です。なぜなら人間は完全な存在ではないし、誰にでも弱さはあるからです。
- 人の尊厳を傷つけるような発言をされたら、気分を害するのは当然でしょう。自分を責めないことが、傷つかないための対策になります。すぐ落ち込んでしまう自分をとがめないようにすることも大事です。
- まったく動揺することのない男性や女性は強いのではなく、心が凍ってしまっているとも考えられます。傷つくことに慣れたという人は、感情を抑圧しているだけかもしれません。
- 傷ついたり悲しんだりするのをやめることによって、失うものもあるのです。やたらとデリケートな性格も、「感受性が豊か」「ピュア」「素直」といったリフレーミングができますよね。
悪口を言われたり自分の噂話をされたら、誰だって嫌な気分になります。子供の頃は合理的な考えができず、いじめられても自分が悪いんだと落ち込むことがあります。
モラハラを繰り返し受けると、多くの人が精神的にまいってしまいます。大人になっても、人と関わるのが怖くなるときや、誰にも会いたくないと思うときはあります。
もっと強くなりたいと願い、傷つくことのない生き方を求めても、やっぱり泣きたくなるような日は訪れるでしょう。もう傷つきたくなんかないと思っても、それでも心を痛めるときはあるのです。
どんなことをされても、何を言われても傷つかない人間を目標にするのは、現実的ではないです。落ち込んでも、できるだけ早く立ち直れるタイプの人になることを目指してください。
心の敏感さの克服のまとめ
心に傷を負った人ほど、他人に優しくなれるといわれています。深く悲しんだ経験から、他者の心の痛みに敏感になるからです。繊細な自分を嫌だと感じる気持ちを手放してみましょう。
人生には、避けられない苦しみや悲しみもあります。人間なんだから傷つくことがあってもいいと、その不自由さを受容します。覚悟することによって、恐怖心を乗り越えるのです。
傷つくことを恐れない心を獲得するには、腹を決めることです。いつかきっと、今は短所だと思っている傷つきやすさも、「人の気持ちがわかる」といった長所に変わる日がくるでしょう。
深く傷ついたときの回復法を知りたい場合は、心の傷の癒やし方をご覧ください。また、精神的に強くなる方法では、メンタルが弱い人に向けたタフな心の作り方を紹介しています。
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