無感情の直し方|無表情になる原因と感情表現が豊かになる方法

カラフルな波打つ横ストライプを描いたイラスト

無感情(無感動)とは、心の動きがあまりないことをいいます。そして表情の変化に乏しいことを、無表情とよびます。自分の気持ちを表に出せない、リアクションが薄いといった悩みをあなたはお持ちですか?

楽しいときに笑えない、悲しいときに泣けない性格は苦しいでしょう。対人関係で悔しい思いをするため、情感の表現がうまくなりたいという人も多いと思います。今日は無感情の直し方についての心理学のお話です。

無表情になる原因や、感情表現が豊かになる方法(言葉で気持ちを外に出す)をお教えします。無感情を直したい人だけでなく、喜怒哀楽のわかりにくい彼氏や彼女・夫や妻の内心が知りたい男性・女性もお読みください。

無感情になる理由

  • ネガティブな気持ちを感じないようにしている
  • 心理学では一方の感情を抑圧すると、もう一方も感じなくなると考えられています。例えば泣くのを我慢している人は、うれしいことがあっても笑顔になるのが難しいでしょう。
  • 悲しみや寂しさといったネガティブな気持ちを感じないようにしていると、ポジティブな気持ちも感じられなくなり、感情表現が乏しい人になってしまう場合があるのです。
  • 反対にプラスとマイナスの情緒の両方をバランスよく感じられている人ほど、自分を表現する引き出しが豊富になります。もっと自分の気持ちを表現できるようになりたいなら、調和が大切です。

心情の変化に乏しい人は、嫌な感情を感じないようにすることに全力で、ほかの気持ちを感じる余裕がなくなっている心理状態なのです。それほど、毎日がつらいということです(あるいは過去にトラウマがある)。

突然、感情がなくなったというケースでは、最近何かショックな出来事があったのではないでしょうか?また、自分の気持ちを表に出さない人は、疲れやすく無気力になることがあります。

感情を感じないようにすることは、常に我慢している状態といえるため、何もしていなくても大きなストレスがかかるのです。心にゆとりを持てないので、周りのことに無関心になる場合もあります。

あまり感動しない人の特徴

  • 感受性が強すぎる
  • 感受性が強い人は、ポジティブな感情だけでなく、ネガティブなそれに対する影響も強く受けます。ネガティブな思いは、感じるのが苦痛なときがあります。
  • そして人間はあまりにもつらいとき、無意識に自分を守ろうとします。無感情とは、悲しみや苦しみ・怒りから、自分の心を守ろうとした結果なのです。
  • 感性に優れているということは、他人の感情に対する感覚も当然鋭いことになります。感受性の強い人は、他者の怒りや冷たい態度を敏感に感じ取ってしまいます。
  • 心が敏感すぎるせいで、他者の表情や態度のささいな変化が怖いと感じることもあります。他人の激情から身を守ることも、感動に鈍くなる理由の一つです。

職場や学校で心の動きがわかりづらいと、同僚に話しかけにくいと言われたり、クラスメイトに何を考えているかわからないと思われることが増えます。接客の仕事で愛想が悪いとお客さんに怒られたりもします。

あまり表情が変わらない人は、別に怒っていないのに周りの人から「怒っているの?」とよく言われることがあります。友達に暗いからつまらないという印象を持たれ、嫌われてしまうなんてこともあります。

あなたはそんな自分のことを、感情がない人間だと思っているかもしれません。けれど人より感受性の強い子供だったために、人間関係で傷つく経験が多く、その結果無感情な大人になったとも考えられるのです。

無表情な人の心理

  • 緊張している
  • 無感情だと自然と無表情になってしまうものですが、緊張しているときもリラックスできていない状態のため、顔が強張ります。普段より口下手にもなります。
  • 感情表現がうまくできない人は、他人とコミュニケーションをとるときに、いつも緊張している可能性があります。緊張する理由は、相手の反応が怖いからです。
  • 一人きりだとそうではないのに、人前だと感情を出すのが苦手という人の場合は、自分のリアクションに関して他者が悪く受け取らないかどうか不安なのです。
  • 親しい人物の前でも感情が顔に出ない人は、父親や母親・旦那・嫁・友人といった相手と会話するときですら、ずっと緊張しているのでしょう。

感情は声に出したり動きにすることによって発散されます。ほかにも外には出さずに、胸の内で昇華することもできます。情動をすぐに解消できる人の内面はとても穏やかです。心が穏やかなときは真顔になります。

世の中には精神的に強いゆえに人よりも心が安定しており、表情の変化が少ない人も存在するのです。こういった冷静な性格の男女は、悩みや喜びをわざわざ人に話す必要がなく、自分の中で解決できてしまいます。

おもしろいことやうれしいことがあったときの感動のリアクションが小さいと、好きな人から不機嫌だと思われ、「私といても楽しそうじゃない」と誤解されてしまうような事態も起こります。

しかし実はそういった人が、家族や恋人に対して非常に愛情深い人物であったり、情熱や優しさを内に秘めている場合もあるのです。心の中がとても落ち着いているから、いつも無口でポーカーフェイスな人もいます。

感情豊かになる方法

  • ネガティブな感情に触れていく
  • 無感情の人は嫌な気持ちを感じないようにしているため、明るい気持ちも感じられないのです。ならばネガティブな思いを解放していけば、明るさや楽しさ・喜びを取り戻すことができるはずです。
  • 感情の抑圧は無意識に行っていることです。抑圧を解き放つには、深層心理への語りかけが必要です。そのための方法は何か?答えは、自問自答です。
  • 落ち着ける場所で一人になって、「私は、どんなネガティブな気持ちを見ないようにしているのだろう?」と自身に問いかけてみてください。それが、無感動を癒やすファーストステップになります。

ネガティブな感情の代表といえば、悲しみ・寂しさ・傷つき・不安・恐怖などですね。自己嫌悪・劣等感・罪悪感・恥なども、自分の中の見たくない一面です。

また、怒りもそうです。怒っているときは、ほかのことがまったく見えなくなってしまいます。それくらい激しい感情なので、感じるとストレスを受ける人が多いです。

怒るのを我慢する癖がある人もけっこういます。自分でも気づかないうちに、抑圧してしまっているのです。あなたの中に怒りがたまっていないか、注意深く自己洞察してください。

人前で感情を出せないときの対策

  • 気持ちを紙に書く
  • 感情は目に見えないものです。そのため触れるといっても、いまいちやり方がわからない人もいるでしょう。そんなときに役立つのが、紙に書くことです。
  • 気持ちを言葉にすることによって、さっきまで透明だった感情に触れられるようになります。さらに文章にすれば、より具体的に理解できます。
  • また、書くというワンクッションを置くことで、感じないようにしている気持ちと直面するときの恐怖心が和らぎます。さあ、紙とペンを用意してください。

無感情を直すには、ノートやメモ用紙などに自分の中にあるネガティブな思いを書いていきます。上手な文章じゃなくてもかまいません。自分の書きやすい方法で行うのがコツです。

人に見せるものではないので、できるだけストレートな言葉で書くようにしましょう。現在の出来事だけでなく、過去の涙するような記憶と向き合うことも大切です。

何を書けばいいかわからない人は、今の自分の率直な気持ちを文字にしてみてください。考えてみても何も思い浮かばない場合は、そのまま「何も感じない」と書いてみるだけでもいいです。

エモーショナルな人になるには

  • ネガティブな気持ちを恐れない
  • もっと感情の表現ができるようになりたいのなら、日々の暮らしの中でネガティブな気持ちに触れることを恐れないようにしましょう。
  • そのためには、ネガティブな思いを悪者にしないことが大切です。怒りや不安・罪悪感・恥といった気持ちも、人間の持つ基本的な感情です。
  • あって当たり前のものだし、ポジティブな気持ちと同じように慈しむものだと思ってみてください。自分の心のネガティブな部分と仲よくなることが、感情に乏しい生活からの脱出になります。

ネガティブな感情のよさとは、自分の持つ人間らしさに気づかせてくれたり、生きていることを実感させてくれる点にあります。ネガティブな一面があるから情緒豊かになり、人間的な引き出しも増えるのです。

それに後ろ向きな思いが存在するからこそ、前向きな思いのすばらしさをより深く実感できます。マイナスの情感の魅力に気づくことによって、あなたは感情豊かな人に一歩近づきます。

ネガティブな気持ちの見方を変えることは、他者と接する際の緊張の対処法にもなります。他人の傷つくような言動の意味がそれ以前とは違ったものに感じられ、心のダメージが減るからです。

もっと自分を出せるようになりたい人のために

感情を豊かにするためのワークは、演劇の演技のトレーニングや、歌の表現力を鍛える練習にも応用できると思うので、ぜひ役立ててください。

なお面持ちは、そのときの心模様につられて顔に出るものです。心配しなくても無表情は、無感情の克服にともない、しだいに改善されていく可能性が大きいです。

笑えない心理と笑えるようになる方法や、おとなしい人が明るい性格になるにはも、この記事と同じく豊かな感情表現をテーマとして扱っています。あわせてお読みください。

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