自己受容のための心理学|ありのままの自分を受け入れる方法

蓮の花

自己受容とは、自分を受け入れることを意味する心理学の用語です。受容性を高めるメリットは、自尊心の向上や自らを愛することにつながる点です。だけど、どんな自分も認めるのは簡単なことではありません。

本日は、自己受容のやり方を紹介します。ご覧になれば、負の感情やダメなところ、外見の欠点がある自分が受け入れられない原因、短所や弱い部分も含めて、ありのままの自分を受け入れる方法がわかります。

自分を受け入れるとはどういったことなのかわからないという男性は、感情にいいも悪いもないことを知るのです。もっと自分を認められるようになりたい女性は、変えられないものを見極める目を養いましょう。

ダメな自分を受け入れられない原因

ダメな自分を受け入れると、より一層だらしない性格になる。憎しみのすべてを認めると、きっと前より意地悪なやつになってしまう。醜い思いを許してしまうと、自らを律することができなくなりそう。

心の奥底にあるネガティブな感情の存在を認めることによって、自分がひどい人間に変わってしまうのが怖い。そんな変化に対する不安や恐怖が、等身大の自分を受け入れることができない心理です。

けれど感情は、気づくことによってコントロールしやすくなります。抱えている感情を自覚し、ただ受容するだけで、特別な対策を施さなくても昇華できる可能性があるのです。

自分の中にある醜さや弱さを受け入れたからといって、ひどい人格になることはまずありません。それどころか自分のよくない点を自覚することは、問題行動を克服し精神的な成長を遂げるきっかけになりえます。

自己受容が難しいのはなぜ?

自己肯定感は自分自身を好意的に評価することですが、自己受容感にはいいところも悪いところも含めて、そのままの自分を認めるという違いがあります。

人間なら誰もが、できればいい人や強い人物でありたいと願うものです。だからこそ、自分の本音(心の闇)を見たくないし、情けない自分やできない自分を意識するのは苦しいのです。

「こんなずるい自分は嫌いだ」「こんなことを思う私は最低だ」といった気持ちが強いと、感じたくない感情から目を背けることとなり、アクセプタンスが困難になります。

いくら自身に好きなところが多くても、嫌いな部分を拒絶するのは本当の自分を受け入れられていないことになります。感情の抑圧が、自分を受け入れたいけどそんなの無理だと思ってしまう理由です。

感情の拒絶の弊害

嫌な感情を潜在意識に封じ込めても、それが消えるわけではありません。例えば怒りを抑えつけると、イライラが解消されずに残り続けます。感情を抑圧すること自体が、無意識のストレスになる場合があります。

自身の醜い部分を許容できないパターンでは、似た要素のある者を毛嫌いしたり、無理していい人や魅力的な人物になろうとします。弱い自分を認められないと、強者にひざまずき弱者を見下すようになります。

自己愛的な人間の特徴は、自信過剰で自分の欠点を見ないことですが、自己嫌悪や劣等感を打ち消すためには尊大にならざるをえないのです。自分の気持ちを意識しないようにすることには、デメリットがたくさんです。

現実の自分が認められないわけ

いくら変えたいと思っても、過去はどうすることもできません。顔や体型・身体能力も、努力次第で改善はできますが、限界があります。年齢をストップさせることも不可能です。老化にはあらがえません。

親や生まれも変えることはできない。幼児期の環境は、子供の力だけではどうにもなりません。また、恋愛や結婚生活・子育てに関しては、どんなに勉強してどんなに気をつけても、問題が起こるときは起こります。

人間は不完全な存在で、人生には自分の力ではどうにもできないことがあります。自分の見た目や才能・生い立ちなどに対する拒絶感が激しい人は、変えられないものを変えたいという思いが強いのです。

自己受容の方法

それがどんなに汚い言葉でも、他人に知られたら恥ずかしい考えであっても、まず自分がそう感じたことを、そんな自分がいることを受け入れましょう。

自分の中にある感覚や己の一部分に、善悪の判断をしないようにします。いい悪いは抜きにして、その時の気持ちやその時の自分をそのまま認めるのです。

もちろん、汚い言葉を口に出すのはよくないです。恥ずかしい行為をすることも、問題になる場合があります。けれど感情を認めることと、実際に行動に移すことは違います。

ありのままの自分を受け入れるには、その時そう感じたんだなと素直に思うだけでいいのです。私の中にこういった気持ちがあるんだな、こんな自分もいるんだなと、ただ感じることが大事です。

変わっていく気持ちを受容する

醜い自分を受容するとはいっても、そんなことを考えてはダメだと感じる気持ちもまた、本心に変わりないですよね?自分の感じ方や考え方は、いったん認めたあとに反省したり改善してもいいのです。

まず、自分の中にネガティブな発想や嫌な側面があることを受け入れます。そのあとに、「こんなことを思ってはいけないな」「こんな自分から変わりたい」と反省します。最初に否定することが問題なわけです。

感情を一個一個丁寧に迎え入れることが、自分を受け入れるコツです。一つずつ順番に承認していくと、スムーズに行えます。固定観念にとらわれずに変化を歓迎することもまた、自己受容です。

今の自分の受け入れ方

生まれ持ったものを変えられないのは、仕方のないことです。自分の限界を知るのも大切です。そうすることで、変えることができないものを見極め、前向きにあきらめることができます。

自己受容とは、執着心を手放すことでもあるのです。それに、変えられないものを受け入れることは、変えられるものを変えようとする向上心にもなります

世の中には、不条理なこともあります。現在の自分を認められない人は、人生にはいい時もあれば悪い時もあるといった現実を受け入れ、自分なりにベストを尽くしていることを認定してみてください。

自分の容姿が受け付けない人の対処法

今まで受け入れられなかった感情を受け止められるようになったことにより、認められないと思っていたルックスの欠点も容認できるようになります。見た目より心を重要視する思考に変わっていくからです。

自分のコンプレックスを受容できるようになると、さまざまな事柄に対する許容範囲が拡大します。自分の外見の長所を認められるようになるし、見た目以外のいいところも評価できるようになります。

いい面もあれば悪い面もあるのが私なんだと、自分をまるごと認めることが可能になります。中身のともなった飾らないすっぴんの自分をよしとすることで、容姿が多少どうであれ、まあいいかと許せるのです。

あるがままの自分を受け入れるためのワーク

自己受容ができるようになると、他者受容も可能になります。自分自身を受け入れられるようになった分だけ、他人に対する寛容さや思いやりの心も育つからです。

そして他人の気持ちがわかるようになれば、さらに自分の気持ちをわかってあげられるようになります。共感能力を鍛えるトレーニングをご覧ください。自己受容力を高めたい人の助けになります。

「引け目」は、自分の全部を認めたいとがんばっている人の壁になります。劣等感が強い人のためのワークでも、コンプレックスの癒やし方を紹介しているので、チェックしてみてください。

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